4 奥利根自然菜園での野菜の研修
紹介された研修先は沼田でもトップクラスの実力農家の茂木清七さんの経営する農業法人奥利根自 然菜園でした。 エダマメ、ダイコン、トマト、トウモロコシなど30ヘクタール以上を有機栽培し、さらに味噌の生産販売まで行い農業の6次産業化の旗手として活躍されてい る方です。
茂木さんの作るダイコンは、土作りにこだわり有機肥料主体のため非常においしく、取引先の加工会社の社長が茂木さんのダイコンを他所のダイコンに変えるわけにはいかないとまでいわれるほどでした。
そ んな茂木さんをはじめ周りの社員の方も熟練の方ばかりで、農業未経験の自分にとっては最初は全くわけもわからず足手まといになるばかりでした。まさに「何 がわからないのかすらわからない」状態でしたが、そんな自分にも茂木さんをはじめ周りの社員の方々の懇切丁寧な指導のおかげで、少しずつ農作業の基本的な 技術・知識そして農業に対する考え方を習得することができたのです。
仕事は大変ハードでしたがようやく農作業にも慣れこれからという時に持病のリウマチが悪化してしました。朝起きてしばらくは、指がまともに動かせないような状態だったのです。
農業自体諦めるか、農業に対する取り組み方を変えて続けるか、思案している時に知人の山田一夫さんから連絡がありました。
「ぶどうをやってみないか」
5 山田一夫氏の下でマンズレインカット方式によるぶどう栽培の研修
山田さんは以前同じ職場で働いたいたことのある先輩で、高山村で米とぶどうを作っていました。「これからは農業がいい、ぶどうはいいよ」と自分に以前から農業を勧めてくれていた人です。
実際にぶどうの作業をやってみると、ダイコンの収穫などの重労働に比べ、比較的軽作業が多く、また収益性も高いことがわかりました。これなら続けられると考えて、山田さんのもとでお世話になることに決めました。
丁度1回目のジベレリン処理が始まり忙しくなる時期であり、続けて誘引、摘粒、副梢切り、袋かけまで山田さんに指導を受けながら取り組みました。
やってみるとぶどう作りは非常に奥が深く、これは面白いと思える作物で、次第にぶどう作りにのめりこんでいくようになりました。
また研修先の高山村尻高は自然豊かな非常に美しい農村風景の広がる地域で、研修中は心が洗われるような日々を過ごすことができました。草津温泉や四万温泉へお出かけの方は是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
こうして1年間の研修を終えてぶどうで就農する決意を固めたわけですが、普及員の方から本格的にぶどう栽培に取り組むなら平棚式も勉強した方がいいというアドバイスを受け、新たな地での研修に臨むことにしました。
新規就農の経緯3につづく