6 大林正彦さんの下で平棚式によるぶどう栽培の研修
2年目は普及員の方の紹介で吉岡町小倉ぶどう郷の大林正彦さんの下でぶどうの研修を受けることになりました。50年の歴史を誇り県内有数のぶどう産地である小倉の中で最も規模の大きい鷹の羽ぶどう園を経営する大農家の方です。
大林さんは非常に情熱を持ってぶどう作りに取り組んできた方で、ぶどうの技術・知識に驚くほど精通しており、聞いたことはその場で必ず即答できる方です。
棚式特有の作業を中心に指導を受けましたが、大林夫妻の丁寧な指導のおかげで平棚式のぶどうの技術・知識そして販売のノウハウまで勉強でき、一層ぶどう栽培への情熱が高まっていきました。
7 研修中に小倉で就農へ
研修中に大林さんの紹介で現在の36aのぶどう園を借りることができました。
農地探しに苦労する新規就農者の話をよく聞きますが、自分は地元及びその周辺ということもあり農地探しには苦労せず、初年度から周りの方からかなりの面積の農地の紹介を受けることができました。
野菜ならその土地にあった作物を作ればいいので紹介された土地を借りて即就農となるのですが、自分でぶどうを生産・販売するとなると、そう簡単には行きません。
小倉を選んだのには何点か理由があります。
小倉は長年築き上げてきた実績とブランドがあり、ぶどう園を開園するにはうってつけの場所であること、地元の沼田より販売期間が長いこと、そして組合員の方々のぶどう作りに対する情熱と豊かな技術と知識等が最終的な決め手となりました。
36aのぶどう園は地主の方がぶどうをやめてから5年ほど経ったぶどう園で、設備は棚と20aの雨除けハウス、老朽化した10aの雨除けハウスがあります。
設備は残っていましたが、園は手を入れずに放置していたためぶどうの木は全滅、直径20cm以上もあるアカシヤとセイタカアワダチソウが棚上まで生い茂る荒れ地になっていました。
除草剤を使って雑草とアカシヤを根絶やしにするという選択肢もありましたが、なるべく除草剤は使いたくなかったので、こまめに草刈りをしアカシヤは株を掘り取ることで整備を進めました。
ぶどう園を借りることになったのが4月の中旬だったので苗木の購入が間に合わず、初年度は組合員の方々を中心に1年生~5年生の苗木を合計37本いただき、2年目は購入苗木を中心に40本定植して、計77本で始まりました。
8 小島ぶどう園開園へ
昨年は小倉ぶどう組合員の小林正夫さんのぶどう園の一部10aを借りて小林さんの指導のもとでさらに研さんを積み、今年いよいよ一人で独立することになったのです。